合格率の分母について考えてみる(2)

○合格率が高くても難関の試験
ここで、他の試験の合格率とその分母について、社会保険労務士試験と比較してみます。

まず税理士試験を例にとってみましょう。この試験は社会保険労務士試験と異なり、科目別の合格制度があります。合格した科目についてはその合格がずっと有効とされ、合格科目数が合格ラインに達すると、税理士になることができるわけです。

ですからこの試験は、「今年は1科目だけ受験する」「今年は5科目受験する」という選択が可能になっていて、実際に数年かけてする人が多いのです。

さて、平成24年度の税理士試験の結果を覗いてみると、
所得税法 受験者2,492人のうち307人が合格 合格率12.3%、
法人税法 受験者7,000人のうち881人が合格 合格率12.6%・・etc.といった数字が出ています。

難関と言われる税理士試験なのに、合格率は社会保険労務士の7%を大きく上回っています。
しかし決して試験自体がやさしいわけではありません。

受験者数自体の少なさが、この受験者の粒がそろっていることを物語っています。税理士試験の場合、「合格するには何年もかかる」という覚悟を持って受験する人が多く、よって試験勉強を充分にしてくる人の割合が多いわけです。

受験者数の少ない試験として、司法書士試験も例に挙げてみます。成24年度の司法書士試験は、受験者24,048人、合格者838人、合格率3.48%という結果でした。

さすがに合格率は低いのですが、そこではなくて受験者数に着目してください。24,048人という数字は、同年の社会保険労務士受験者の51,960人の半数以下です。

この試験も税理士試験と同様、合格には複数年かかると言われている試験で、受験をするには相応の費用や時間を費やすことを覚悟しなければなりません。ですから全体的に、準備不足の受験生の割合も少ないと考えられます。

○社会保険労務士試験の受験者数は
上記のような試験に比べ、社会保険労務士試験は、準備不足の受験者数が非常に多いと思われるのです。これもこの試験の人気ゆえのことでしょうが、しっかりと試験勉強をしてきた本来の受験者数に明らかに準備不足の受験者数が上乗せされているため、合格率が低くなっていると考えられます。

ですから、7%という合格率にはあまりこだわらず、自分の学習を進めることが大切だと言えます。